おはようございます!伊達マンです
じょうたろうさんのまとめ記事がご好評いただけており嬉しい限りです!
実はその記事でe-Sportsについて若干触れておりましたが、e-Sportsが今どうなっているかというのは知らない方が多いのではないでしょうか?
今回はe-Sportsそのものにスポットを当て、現状とそこから予想されるe-Sportsの未来について語っていこうと思います
e-Sportsって何?
e-Sportsの発祥
2018年はe-Sports元年と呼ばれ、日本ではJeSU(一般社団法人日本e-Sports連合)の発足などを中心に、世間一般の方の耳にも届くほど認知された年でした
ですが、それ以前からe-Sportsというのは世界各国でその名を轟かせており、いつの間にか日本がe-Sports後進国と呼ばれるようになっていたのです
発祥の正確なタイミングは定かではなく、ごく普通のゲームの大会が各地で少しずつ大きくなり、高速インターネット環境の普及と共に爆発的に広まったとするのが自然です(日本以外)
e-Sportsの名前の語源
2000年前後から使われはじめたe-Sportsという言葉の語源は、アメリカ発祥だの韓国発祥だのと巷では騒がれますが
そういったウワサの真偽が定まらないほどに自然と沸き上がった言葉です
セガサミーホールディングスの里見治紀氏は言葉の語源についてはアメリカ発祥でありEVO等が元となっていると語っていました
G1サミット2019 第7部分科会C「e-Sportsの可能性~世界に勝つための戦略とは~」 (2019年2月10日開催/星野リゾート青森屋) より抜粋
そもそもe-Sportsってスポーツなの?
これは諸説ありますが、まずスポーツという単語がクセモノです
汗を流さないのに何がスポーツなんだろう?と思ったことがある人もいると思います
日本人がスポーツと聞くと何を思い浮かべますか?
多分皆さんはこんな想像をしているでしょう
汗をかいて全力を出し、努力と情熱と根性を持ってして正々堂々と競技に挑み、相手や仲間たちと切磋琢磨しうんたらかんたら…
ちょっと誇張しすぎた感もありますが、だいたいこれに近くないですか?
パッと想像しやすいものだと高校野球の甲子園とかまさにこんな感じですよね
これは日本の教育的な思想と、若者の健全育成を目指す考え方からスポーツの娯楽的な考えが薄れている結果です
皆さんが想像したようなこの文化は、これはこれで素晴らしいものですし、否定されるものではありません
ですが本来は、日曜日におじさんが仲間とゴルフに行くような、おばさまたちがテニスコートで汗を流すような、そんなスポーツ像が海外では一般的です
これは、オリンピック発祥の地であり、スポーツの言葉を定着させたヨーロッパの考え方が強く、スポーツの言葉の語源に込められる『憂さを晴らす、気持ちをすっきりさせる、良き余暇を過ごす』という意味合いに近いようです
為末大氏(一般社団法人アスリートソサエティ代表理事)は下記のサミットにて、世界と日本のスポーツの見解の違いについて語られていました
G1サミット2019 第7部分科会C「e-Sportsの可能性~世界に勝つための戦略とは~」 (2019年2月10日開催/星野リゾート青森屋) より抜粋
この、世界と日本の解釈の違いが大きく影響して、世界で流行ったe-Sportsが日本に入ってきたときに、スポーツという単語に違和感を持つ人が多いのです
そういった背景もあり、JOC(日本オリンピック委員会)はe-Sportsのオリンピック参入について、否定的な意見は出していないものの、まだまだ先の見えない話となっています
数値で見るe-Sportsの現状
世界のe-Sportsの市場規模をまとめたNewzooの記事では、2019年の総市場規模で11億ドル、日本円にしておよそ1000億円になると予測しています
2022年には18億ドルまで成長すると見込まれており、今後まだまだ伸びしろのある市場と読むことができます
世界のe-Sports総視聴者数は4億人を超え、世界で最も観客の多いイベントともいえます
e-Sportsが日本で流行らない3つの理由
1つ目の理由は
日本と世界の認知度の差
e-Sports競技人口が一番多いゲームは何かご存じでしょうか?
現在の世界的な競技人口で見ると『League of Legends』というゲームです
多分知らない方のほうが多いと思いますが、世界では300億円以上の市場規模を持つゲームです
ですが日本人にはほとんどプレイされていません
この差がそのまま流行らない理由の1つとなっています
2つ目の理由は
スタープロゲーマーの扱い
世界では上記のようなe-Sportsで飯を食うプロゲーマーが数多く存在します
当ブログでも紹介した鉄拳界のじょうたろうさんもその一人ですね
ですが、世界のプロゲーマーは日本のそれとは扱いが全然違うのです
フィジカルスポーツでいうところのイチローやメッシ、長友などのスーパープレイヤーたちと同じ並びにプロゲーマーが入っているのです
それを見た子供たちがプロゲーマーに憧れ、その結果、アメリカでは『将来なりたい職業ランキング』トップ5にプロゲーマーが入っているのが現状です
日本ではプロゲーマーは存在してはいるものの、プロという名がついていても月収10万以下というのはザラです
アルバイトで生計を立てながらゲームをする姿に憧れる子供は少ないでしょう
3つ目の理由は
日本教育のゲームに対する冷遇
ゲームが教育に及ぼす影響というのは昔から言われていますが
最近ではWHO世界保健機関が『ゲーム障害』という疾患を発表しました
こういったネガティブイメージはゲームに常に付きまといます
特に日本ではそもそもゲームに対してのイメージが良くないため、教育委員会の一言であっという間にゲームが悪者になります
マスコミなどの拡散により、未だにゲームを子供にさせることはよくない事だと決めつける親御さんが多いのも事実です
これに関しては日本にこびりついた概念的なものなので、先に述べたような海外のポジティブイメージが輸入され、上書きされていくことを祈るのみですね
e-Sportsを目指す若者のこれから
ネガティブな情報が多かった日本ですが、良い情報もあります
松本国際高等学校 君の高等学院様が新たにe-Sports学科を開講するということでその学校説明会兼コース体験をさせていただくことになりました。
— じょうたろう。 (@xnqll1995) 2019年7月11日
e-Sportsが好きな中高生様はお時間があれば是非来てくださると嬉しいです。https://t.co/RtRauJhd3A pic.twitter.com/uOzc0HLymH
こういった学校教育の中でe-Sportsというものを一つの専門分野の職業として捉え、プレイヤーを育成していく動きが各地で見られます
高校生のe-Sports選手権も開催されていますね
この動きに理解のある大人、企業が率先して動くことで、今業界のイメージが少しずつ変わりつつあるといっていいでしょう
まとめ
いかがでしたでしょうか?
市場規模的な数字からもe-Sportsの世界はまだまだ先のある分野です
日本は後進国とはいえ、世界がこれだけ注目している産業であれば必ず追いつこうとします
そこにビジネスチャンスを感じた企業は、国内プロリーグの発足、賞金大会の開催、人材育成、e-Sports科学の研究などドンドンお金を投資していきます
つまりそれって、フィジカルスポーツが普及した歴史と全く同じであると言えるでしょう
僕はちょうどJリーグが発足した年に小学生でしたが、当時は誰もがサッカーに夢中になりました
私服にJリーグのチームTシャツを着たり、靴を同じブランドでそろえたり
関連グッズなど小学生ながらにかなり買ってもらった記憶があります
あまりサッカーに興味がなくても、文房具にはJリーグの文字があったくらいです
それと同じことが今起ころうとしているのです
サッカーに夢中になり過ぎてプロ選手を目指した子がいました
ではプロゲーマーを目指すことはそれとイコールではないのでしょうか?
将来、食べていけるかどうかもわからない職業という点は同じです
選手生命なんて一生続くわけでもないのに引退後はどうやって食べていくのかという部分も同じですよね
そんな不安があったとしても、当時は将来の夢の欄に『サッカー選手』と書いてよかったのです
これからの子供の夢を壊すのではなく、その夢が叶うような環境を作り出すために、我々にできることはまだまだあります
e-Sportsが国内で普及し、いつか日本代表が世界を相手に戦うときに立ち会えることを夢見て、この記事を締めくくろうと思います